本棚のひとところにある一冊の詩集。
それは、ある時ふっと読みたくなり、
ぱらぱらとページをめくるたび、
読み手の心にあたらしい気づきをもたらすような
心細い夜に温かな言葉をくれる友達のような
とても個人的だけれども、それだけに特別な存在かも知れません。
静かな夜にトントンとドアをノックするように
そっと本棚から取り出し、詩人の素顔をひもといていく
福島奈美子さんの連載エッセイ「本棚の詩人」。
二冊めは、辺見庸さん(1944-)
詩人とは、言葉を発するなり既存の世界を敵に回し、
石を投げつけられる存在である、とするなら
まさしくそのような詩人だろうと思います。