いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。
いい詩はまた、生きとし生けるものへの、
いとおしみの感情をやさしく誘いだしてもくれます。
どこの国でも詩は、その国のことばの花々です。

−茨木のり子『詩のこころを読む』より−

詩学S30_9

「詩学」昭和30年9月号

このたびは「詩学の友」のホームページをご覧いただきまして、どうもありがとうございます。

1947年の創刊以来60年、全国の読者に愛されてきた詩の月刊誌「詩学」と、数々の素晴らしい詩集を世に送りだしてきた詩学社が、人びとに惜しまれつつ、なくなってから今年で6年になろうとしています。

戦後日本の詩が歩んできた歴史において、「詩学」と詩学社の担った役割はたいへん大きなものでした。さまざまな世代の方々が支え、作りあげてきた「詩学」の財産は、いまもけっして価値を失ってはいません。そして未来に目を転じたとき、詩の魅力に惹かれ、志を抱く新たな人たちにとっても、その歴史から学ぶことはきっとたくさんあることと思います。

しかし残念ながら、いま「詩学」が遺したものに触れたり、それについて語ったりしようにも、そんな場所や機会はほとんどありません。

そこで「詩学」に思いのある有志で呼びかけ合い、2011年11月より活動を始め、このたび「詩学の友」のホームページを立ち上げました。

めざすのは、かつて「詩学」を愛した方々が集うことのできる場所、また「詩学」を知らない方々もその一端を知ることができ、のびやかに詩を楽しめる場所、そして年代を超えて「詩学」に関わる誰もが交わることのできる場所です。

まだまだ未熟で拙い私たちですが、「詩学」の歴史や、詩の楽しさを伝えていけるよう努めてまいりますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。

2013年5月31日

詩学の友の会 有志一同