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冒頭の作品は、わたしの一番好きなアスパラガスさんの詩だ。胸をしめつけられるような強烈で、そして遠いあこがれ。街の隙間に一瞬ちらつく黄色い光が見えるよう。
2008年6月、わたしは初めて単独で朗読会を主催した。趣旨は、大好きなアスパラガスさんの詩を、同じく彼女のファンであり友人でもあるワニラ(*1)と共に朗読をし、彼女の詩のどこがどんな風にどれだけ好きか語り尽くすという、身内による身内のための超気持ち悪いイベントだ。
(*1)イシダユーリ、小夜、奈緒で構成する朗読ユニット
朗読の元になった原稿は、彼女が某出版社に送るためにまとめたもので、残念ながら本にはならなかったけれども、完成度の高い詩集だ。これはもう、そのまま読もう!と決めて、38編目次通りの順番で、最初から最後までまるごと朗読することにした。前半は朗読者4人で声を重ねてゆき、後半はひとりずつじっくりと読み上げた。原稿のタイトルは『詩集』 誰よりも表現者であるくせに、誰よりも照れ屋なところがかわいいひとだ。だからわたしの朗読会のタイトルも『第一回朗読会;アスパラガス、詩集。』とした。ちなみに第二回はまだない。
奇しくも当日は彼女の誕生日で、主賓だというのに受付をさせ、働かせてしまったけれど、彼女が亡くなった後に、彼女の友人からこの日のことをとても喜んでいたと聞いて、今すごく、切ない気持ちでいる。
お客様にもたくさん来ていただいて、わたしにとっても本当に幸せに満ちた一日だった。その時の興奮さめやらぬまま書いた感想が残っていたので、下記に転載する。
(転載)第一回朗読会;「アスパラガス、詩集。」(現代詩フォーラム内)
久しぶりに読み返してみると、ずいぶん遠く、別の場所に来てしまったような気がする。再演もするつもりだったし、イベントを記念しての冊子もつくる予定だったけれど、結局何もできないまま、冊子の試作品がわたしの手元にあるのみだ。