大切にしている言葉1「平均」山崎悠子

まらない言葉に聞こえるかもしれない。とがっていなくて、目にも止まらない。平凡で普通。
この言葉を聞くと
「みんなと同じようにしなさい。」
と言われ続けていた幼少期を思い出す。ずんずん一人で突き進み、気づけば人と違う場所に、ひとり。
けれど、そんなことはどうでもよくて、ただただ、自分が納得できれば、それで良かった。もちろんその時は、その意味など考えたこともなかった。
20年後の今、掃除をしたり、おしめをとりかえたり、休むことなく働く、私の手は、いつのまにか真ん中をとるようになっている。
自分と子供が楽しめる場所に出かけたり、美味しいだけではなく、できるだけ誰でも再現できるような、作りやすいレシピを考える。
妥協点とも取られがちなこの言葉だけれど、家族、仕事、生活、趣味、私が大事にしているものと向き合うときの姿勢になりつつある。
一つの見方に偏ると、何かが見えなくなってしまいそうだし、いつだって面白いものに向かう軽やかさを持って、それを誰かと共有したい。

essay
大切にしている言葉

大崎善治「因果」

宮城未来「心地」

山崎悠子「平均」

ある日

白米
油揚げ新じゃが新玉ねぎのお味噌汁
焼き鯖
生わかめと木綿豆腐の湯豆腐
焼き海苔
ニラ玉
チャーシュー
野菜スティック(辛味噌マヨ)

ある日

うどと生ハムのフリット
そら豆の姿焼き
醤油麹チキン
クリームチーズ生ハム巻
春キャベツと春大根のアーリオオーリオ
トマト
娘はライ麦パン、大人はビール

all photos by ©Yamazaki family

profile

山崎 悠子(やまざき・ゆうこ)

料理家。多摩美術大学工芸学科卒業後、調理師、薬膳アドバイザー、
食育指導士の資格を取得。レストラン調理、料理家アシスタントを
経て、雑国料理カフェ『山子屋』を主宰。レシピ掲載、ケータリン
グも手がける。